ヤタガラスしめ縄 〜縄を綯うということ

今年は例年にないペースで本を次々と読破したのですが、もはや何に出てきたのか覚えもないけど、あるとき「八咫烏しめ縄」というものがあることを知り、検索すると過去にワークショップを開催している方がいることを突き止めた。
しかしナーコロでここ数年は開催されずらしい。
そこで「これできるかしら?」と写真を友人いけちゃんに送ったところ「できるんじゃない?」とわけもなく返答が来て、ともかくも藁を調達することにした。
この藁はもう何年もお米をお願いしている姫路の白井さんに頼んだら、どれぐらい必要?と聞かれて困ってしまい、「ヤタガラス3羽分ぐらい」と伝えたらごそっと届いた(笑)
この状態からいけちゃんが手際よく選別をして、水を打って藁を叩き、縄綯いできる状態に。
ちなみにいけちゃんは鎌倉在住のクリエイターで、彼の作るものはことごとくセンスが良い。考え方がピシッとしている。
わたしはこの時点で、何がどうなったらヤタガラスになるのか見当さえついていないわけだが(笑)、彼は無言で手を動かしていき、とっとと仕上げてしまった。
わたしがしたことと言えば、火を起こしてご飯を炊き、サンマを焼いただけw
彼曰く、「こういうものは構造を把握できさえすればわけもないこと」だそうで、はっはーんと思った。
しかし、一瞥しただけで適切な長さとかがわかってしまうのは長年のカンのなせる技なんだろう。
わたしは今回、長い縄を作るために藁を足していくやり方を伝授してもらい、どうにかできるようになったので、次回はミニヤタガラスでも作ってみようと思う。
今回のはあんまり立派すぎて、坂ノ下の玄関では「ヤタガラス負けしてしまうw」ことが判明。
つい先日、石見神楽の原型となった「大元神楽」という、ホンモノの神降ろし神事について詳しく知るに至りそこで使われる大蛇に心奪われたのだが、
ヤタガラスも、元は蛇から出来る、つまり蛇はすべての基本になるということが、古代出雲族と龍神信仰を深掘りしている昨今、なかなかに象徴的な気がして感慨深いものがあった。
わたしも、とりあえず長い縄を作ったので、なんとなく蛇ちゃんにしてみようと思ったが、そもそもの計算が甘くて思ったようにいかず。
しかし次回はちゃんと出来ると思う。構造がわかったから。
こんなんじゃ神様に怒られるw とは思ったものの、試作だから大目に見てもらいましょう(笑)
縄を綯うって、全身を使うから身体にエネルギーが通るんだよね。
だから村の共同作業として縄綯いしていた時代、みんな物理的にも強い肉体を持てたんだろうと推測している。
稲作って、食べるコメを作るだけじゃなくて、干した藁から物を作ったり、肥やしにしたり、あるいは納豆のような有用な菌を得たり、作物からあらゆる恵みを得ていたんだな。
すごいよね、この国の知恵。