十種神宝と「針を通すこと」について

今となってはもはや経緯が思い出せないのですが、この夏わたしは「十種神宝」というものに出会いました。
円と直線を組み合わせたこのシンプルな「図案」はそれぞれ
- 沖津鏡(おきつかがみ)
- 辺津鏡(へつかがみ)
- 八握剣(やつかのつるぎ)
- 生玉(いくたま)
- 死返玉(まかるかへしのたま)
- 足玉(たるたま)
- 道返玉(ちかへしのたま)
- 蛇比礼(おろちのひれ)
- 蜂比礼(はちのひれ)
- 品物之比礼(くさぐさのもののひれ)
を表しているのですが、それが何なのか、ということはわからなくても、
いや、むしろ知る必要すらなく、ここに秘められた力に絶大なものを感じています。
あまりにも気に入ったので、久しぶりに刺繍をしてみようと思いつき、針を通し進める毎に自分の中に不思議なエネルギーが通るのを感じました。縄を綯う時に「通る」感じと似ています。
そして針を通しながら頭によぎったものは「千人針」という、出征する兵士に女たちが針を通したものを贈ったという戦時中の話でした。
若い頃は「千人針」の説明を聞いても意味がわからず、「なんで???」と謎に思ったものですが、今はわかった。それは一種の呪術だと思います。
そして千人とは言わなくても、大勢の女性が針を通すことによって、より複雑な振動数が発生したのだと思います。
刺繍というのは完全なる「無」になれる作業で、それは祈りに似ています。
当時の女性たちはどんな気持ちで運針していたんだろう、、、、想像しては非常にしみじみとした気持ちになりました。
ともかくも、
この十種神宝は、われわれ民衆が病のことあらば「ふるべ ゆらゆらとふるべ」と伝えられていて、この図案をもってヒラヒラさせることで「何か」が発生するようでして、、、、、、不思議。とっても不思議です。
今回この刺繍シリーズをFUKU FUKU DOLLSのマキコさんと共同で取り組むことになりました。
とっても丁寧な仕事をされる方で、仕上がりの完成度も高いです。
インテリアとして飾っていただく完成した刺繍を額装したものと、自分で針を通してみたい方向けに刺し子のようなキットも考えています。
どうぞお楽しみになさってください♡